除菌関連・感染症対策の
豆知識・雑学BLOG

被災したらどうするか?避難所での衛生対策

令和6年1月1日の能登半島地震でお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災地域の方々の安全の確保と、被災された皆様の生活が一刻も早く平穏に復することを心よりお祈りいたします。

この度の地震より、被災地では避難所での生活を余儀なくされている方が多くいらっしゃいます。地震大国「日本」では、他人事ではありません。
もしも自分が被災してしまったら?衛生視点で見た、避難所における共同生活で重要な感染症対策をご紹介します。

まず、避難所では家と違い、限られた空間の中に大勢の人が集まるため感染症を発症する可能性が高くなります。
屋内でも関係なく、マスクを着用することがおすすめです。
ご家庭の災害用バッグにない場合は、入れておきましょう。

また、避難所では靴を脱いでの生活が一般的ですが、
不特定多数が出入りする特殊な環境であり、土足で居住スペースを歩き回る人が出てくることもあります。
普段使用している靴はもちろん、洪水などで浸水した場所を歩いた靴底には様々なウイルスが付着しており、傷口や粘膜から侵入してしまうと、重大な感染症を引き起こす場合があります。
共用スペースで使用できる室内用の靴を用意し、自分の避難スペースでもできるかぎり裸足の生活は避けましょう。
また、履き間違いや混乱時の窃盗防止のため、土足靴を入れるための袋を用意し、自分のスペースで管理するようにしましょう。

地震や二次災害などは予期せぬ時期に起こります。
万が一のために、日頃から避難場所や災害用バッグのチェックなど、できる準備を行うことが大切です。

冬はノロウイルスに注意!強力な感染力 意識したい予防法は?

 さまざまな細菌やウイルスなどの病原体によって起こる感染症「感染性胃腸炎」。一年中感染の恐れがありますが、特に冬は、例年大きな流行が見られます。その原因の1つが「ノロウイルス」です。

 

 ノロウイルスは1968年にアメリカにある小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者から初めて発見されたと言われています。手指や食品などを介して経口で感染し、感染から発症までの潜伏期間は24~48時間です。主な症状としては吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などで、発熱は軽度です。 

 

通常症状が1~2日の後遺症のない病気ですが、子供やお年寄りなどは重症化したり、吐いたものを誤って気道に詰まらせて間接的な死亡原因となってしまうこともあります。また、新型コロナウイルスの影響で手指をアルコール製剤で消毒することが多いものの、製品によってはノロウイルスに効きにくいものもあります。万が一ノロウイルスに感染した際には、しっかり対策をし、二次感染を防ぎましょう。

 


ノロウイルスの感染経路のほとんどが、ウイルスが口から入り込む「経口感染」による感染で、次のような例が考えられます。

 

・患者のふん便やおう吐物から、人の手を介して感染。

・家庭や共同生活施設など、人同士の接触する機会が多いところで、会話の際に出る飛沫で直接感染。

・外食や家庭などで、感染した人を介して汚染された食品を食べて感染。・汚染されていた二枚貝を十分に加熱をしないで食べて感染。

・ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合・・・など。

今年も残すところあと一週間。早いものです。
年末年始は忘年会や正月詣りなど、行事が盛りだくさんで、人と会う機会も増加します。クラスター感染を防ぎ、自身の体調管理を整えるようにしましょう。

【国内初の死亡報告!サル痘の現状】

デンネツ広報担当です。こんにちは。
今年7月に日本国内初の感染者が現れたことで、注目を浴びたウイルス感染症「サル痘」。国内ではこれまでに200人余りの感染が確認されていましたが、先週13日、とうとう国内初の死亡者が確認されたと発表がありました。

 


サル痘=「エムポックス」は、発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症です。感染した人もしくは動物の体液や血液に接触する、または近い距離で長時間飛まつを浴びたりすると、感染する可能性があると考えられています。多くの場合は軽症で自然に回復し、致死率は0.数%ほどと言われていますが、子どもや妊婦のほか免疫不全の人だと重症化する恐れがあるそうです。

 

 死亡した男性は、渡航歴がなかったものの、HIVに感染しており免疫不全だった、ということでした。病気を罹っているなど免疫力が低下した状態にある人は、特に注意して感染リスクを避ける対策を行うことが重要です。

ダイエットや美容目的で薬を処方してもらうのは悪?薬不足の現状

近年、医薬品のメーカーで製造上の不正が発覚し、業務停止などの行政処分が相次いだことに加え、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの流行での薬の需要増加を受け、2年以上慢性的な薬不足が続いています。そのため病院を受診しても、症状に効く薬が、最適な量をもらえなかったり、医療機関や薬局での待ち時間が長くなるなどの現象が発生しているようです。

 

 一方で「本来の目的ではない受診と薬の処方」が注目されています。「美白によく効く」「医薬品なので効果が強くて安価」と謳うインターネット記事や投稿をきっかけに、病院を受診し、薬を処方してもらう方が増えているようです。

 


インターネットでの書き込みは多くの場合、専門家が科学的に実証した結果に基づいておらず、確証のないものも大変多いです。病院で処方される薬は、強い効能だからこその副作用もあります。

本来の目的とかけ離れた利用方法で薬を服用すると、最悪のケースでは、健康を損なったり事故につながる可能性があります。

 


美容目的で医療行為を受けたい場合は、インターネットで見た情報を鵜呑みにせず、美容を専門とした医療機関に頼りましょう。また、薬不足の医療現場を助けるためにも、自身の健康を守るためにも、自己管理を徹底し、体を壊さないようにすることが大切です。

 


12月の半ば、本格的に寒くなってきた今こそ感染症対策により力を入れましょう! 

パンデミック、エンデミック、エピデミックという言葉を知っていますか?





コロナが流行した2020年から、耳馴染みのある言葉「パンデミック」。感染症が蔓延し社会的な混乱が起きる際にこの言葉がよく使われますが、皆さんは「パンデミック」という言葉の意味を聞かれた際、正しい説明をすることができますか?

 

 パンデミックとは、「世界的な規模での流行」、「症状の全国的・世界的な大流行」、「広い地域に高い罹病率で症状が発生し、大流行すること」を意味するほか、「一国の全体、あるいは世界に、ある疾患が広がること」を意味しています。

 

 疾患、特に感染症の流行は、その規模に応じてエンデミック、エピデミック、パンデミックに分類され、そのうち最も規模が大きいものがパンデミックといわれます。

 

 エンデミックは、最も局所的な感染症の「地域流行」のことを指します。アフリカで流行しているエボラ出血熱、日本での麻疹や風疹などがこれに該当します。また、エピデミックは、もう少し広範囲での予想を超えた「流行」で、パンデミックのように世界的な感染ではないものの、複数の国にわたり感染症が蔓延している場合に使われます。2003年のSARSや、2016年のジカ熱がここに該当します。

 

 感染症や衛生に使われる単語はカタカナが多くて混乱しますね。よく耳にする単語でなんとなく意味を理解したつもりだったが、ちゃんと調べてみると思っていた認識とずれていたなんてことがあります。

デマや噂に惑わされないよう、ニュースなどで聞きなれない単語が出てきた時は、どんな意味か調べてみましょう。

もしも食中毒になってしまったら

こんにちは、デンネツ広報担当です。最近、集団食中毒事件が世間を騒がせています。暑い季節を過ぎ、食品が腐りにくくなるこの時期こそ、食品衛生への意識が下がり危険な時期。

 万が一自分が食中毒になってしまった時、どのような対応をすればいいのか知っていますか?今回はもし食中毒に遭ってしまった場合の、適切な対応方法をご紹介していきます。

 

 もし食中毒による下痢や嘔吐があった場合、下痢止めや吐き気止めなどを服用してはいけません。吐き気が治まる代わりに、菌の排出も止めてしまうからです。食中毒時の下痢や嘔吐は、体が危険物質を外に出そうとする正常な反応です。この場合は、こまめに水分を取ることで対応できることが理想です。


しかし、どうしても嘔吐がやまず、摂取した水分も吐き出してしまう状態が続くと、脱水症状を起こす危険性があります。

口が渇く・立ちくらみなど、危険を感じた際には医療機関を受診しましょう。また、子どもは成人より体が小さい分、脱水症状に陥りやすいです。下痢、嘔吐の症状が出た場合には、速やかに受診しましょう。 食中毒の中には抗生剤が効くものもあります。症状の出る直前〜1週間くらいの食事を先生に伝えられるとベストです。

 

 食中毒の原因となる菌の中には加熱や冷蔵、アルコールを代表する殺菌に耐えるものもあります。予防対策を行うことが最も大切ですが、もし食中毒になってしまった時には適切な対応をし、二次感染を起こさないように注意しましょう。

【感染症は目でも起こる!コンタクトレンズから起きる目の感染症とは】

 

こんにちは、デンネツ広報担当です。みなさんはコンタクトレンズをつけてしまったまま眠ってしまったことはありますか?

コンタクトレンズをつけたまま眠ると目に悪い、失明すると昔から言われていますが、具体的にどうして目に悪いか知っている方は少ないと思います。今回はそんなコンタクトレンズなどの間違った使用方法が招く目の感染症についてご紹介します。 

 

眼球に発症を起こす感染症を「角膜感染症」と言います。

角膜感染症は、目の痛みや充血などの症状が現れ、進行すると視力が低下することもある病気です。

目の痛みや異物感、目の充血、涙、まぶたの腫れなど様々な症状が現れ、進行すると角膜が白く濁り視力が低下します。ひどい場合には、失明する危険性もあります。

コンタクトレンズをつけっぱなしにするとレンズに付着した目からの分泌物や汚れなどから雑菌が繁殖してしまい目への悪影響が起こりやすくなります。

 
 
また、角膜は涙を通じて空気中の酸素を取り入れています。
しかし、コンタクトレンズをつけると十分に酸素を取り入れられなくなります。コンタクトレンズの装着時間が長くなるほど、バリア機能が低下して、ドライアイや角膜感染症のリスクが上がります。
特に酸素透過性が低いソフトコンタクトレンズをつける場合は注意が必要です。


コンタクトレンズの間違った装用は「角膜のバリア機能の低下」と「目に入った雑菌が増える」ことが原因です。コンタクトレンズを正しく装用・ケアし、角膜に十分な酸素を送り届けることで、感染症を防止できます。
できるだけ酸素透過性が高いコンタクトレンズを装用しつつ、装着時間を減らすようにしましょう!

【予防を怠っているからじゃない!感染症にかかりやすい人、かかりにくい人の差とは】





こんにちは、デンネツ広報担当です。

 皆さんの中には予防接種を行ったのにインフルエンザに感染してしまった人、予防接種をしていないのに感染しない人、インフルエンザA型とB型の両方を同時に、あるいは一度感染したのに再度違う型に感染してしまった人など……様々な経験者がいらっしゃると思います。

 

今回は「どうしてインフルエンザにかかる人とインフルエンザにかからない人がいるのか」をお話ししたいと思います。

 

 感染症にかかりやすい人とかかりにくい人の違いは、免疫力の差にあると言われています。

免疫力とは、体に入ってきたウイルスや病原菌など、あるいは望まれない侵入生物を、防いだり排除したりして、体を守る力のことを指します。

このはたらきには大きく分けて自然免疫と獲得免疫の2種類があります。 

 

自然免疫とは、感染症を引き起こす細菌やウイルスが体内に侵入した時、排除しようと働く免疫のことを指します。体の基礎的な体力だけでなく、生活習慣や運動、食事などによっても、個人差が出ると考えられています。  

 

一方の獲得免疫は、一度入ってきた病原体を学習し、再び入ってきたときに、排除しようと働く免疫のこと。適応免疫ともいい、一度かかった病気にかかりにくくなったり、もう一度かかったりしたとしても治りが早くなるのは、この働きによるものです。

 

 一般的にワクチンは、この獲得免疫の働きを利用しており、ワクチンを打って疑似的に感染した状態を作り、免疫力を育てています。 

年を重ねるほど感染症にはかかりにくくなりますが、それは学習した獲得免疫があるからです。

 

感染症にかかりやすい人は、自然免疫と獲得免疫を合わせた力が弱いせいであり、必ずしも予防を怠ったからではないのです。

 

 現代では清潔な環境での生活が当たり前になり、自然免疫・獲得免疫を高める機会が減りつつあります。

 

基礎体力をつけ、食事と運動に気をつけて、規則正しい生活をするなど、日頃から自然免疫を強化しておくと、感染症予防や感染後の回復の早まりにつながります。

ニュースで聞く「重症」ってどのくらい?

【ニュースで聞く「重症」ってどのくらい?】
こんにちは、デンネツ殺菌ボックスです。
インフルエンザが猛威を振るう昨今、ニュースでは感染者数や重症者数が報じられています。
よく報じられるこの「重症者」という表現、どれくらいの容体の方が当てはまっているか知っていますか?

 

この症状の重さは

 

軽症<中等症<重症

 

の順に症状が強いと決まっており、それぞれ症状の基準があります。

 

・軽症……入院が不要なもの
・中等症…命の危険はないが入院の必要がある
・重症……生命の危険の可能性がある
・重篤……生命の危険が切迫している(心臓・呼吸が停止しているもしくは停止の恐れがある)

 

体がいくら辛くても、入院をしなければ軽症扱いということで、
普段我々が考えている重症度よりとても重いことで驚いた方も多いのではないでしょうか。

 

普段なんとなく聞く重症、軽症などのワード、症状の基準を知ってから見ると、イメージも大きく変わりますね。
最近はインフルエンザの感染者数か9週連続で増加しており、重症者も増えつつあります。
感染症対策を徹底し、感染予防に努めましょう!

濡れたままはNG!アルコールでの効果的な消毒方法

こんにちは、デンネツ広報担当です。
みなさんは、皿洗いなどの水仕事を終えたり外出から帰ってきた後の手洗いの後、「濡れたままの手」にアルコールをつけていませんか?

実はそれ、アルコールの殺菌効果を弱くしてしまっているかもしれません。
アルコールは、濡れた場所では効果が薄れてしまうからです。
テーブルなども同様に、濡れてしまっているとアルコールの殺菌効果を減らしてしまうことになります。

厚生労働省から推奨されている消毒用のアルコール度数は70〜95%。
濡れてしまっている状態の場所にアルコールを使用すると、そこからアルコール度数が低下してしまい、十分なアルコール濃度での殺菌効果があらわれません。

食中毒を防ぐためにも、手指やテーブル等消毒をきちんと行いたい場所は、しっかりと水分を拭き取ってからアルコールを使いましょう。

歯磨きは感染症対策につながる?!

感染症対策として、主な予防策を「手洗い、うがい」と紹介してきましたが、私たちが普段行っている「歯磨き」も感染症対策の一端を任っていることはご存知でしょうか?

 

歯磨きなど口腔ケアにより、口の中の細菌数を減らすことで感染症を予防できます。
これらは風邪やインフルエンザ、コロナウイルスなど、この秋流行している感染症にも効果があります。

 

ただ、歯磨きの際にはどうしても細かい飛沫が周りに飛び散ってしまいます。
コロナウイルスなどに感染した場合、この唾液中にもウイルスが混入していることがわかっています。
罹患時は、歯磨きの場所を家族と変えたり換気をよくするなどの配慮で、二次感染を予防することが可能です。

 

美味しいものが増える秋の季節。
虫歯予防だけでなく感染症対策のひとつとして、歯磨きなどの口腔ケアも怠らないようにしましょう!

ペットから感染する感染症


こんにちは、デンネツ広報担当です。

 

感染症には人間に感染しないものや、逆に人間には感染するがペットたちには害のない感染症などが多くあります。
しかし、野生の動物だけでなく、飼育しているペットから感染症が移ってしまう可能性もあることをご存知でしょうか?

 

今回はペットなど動物から感染する代表的な感染症をまとめてご紹介します。

 

●Q熱
Q熱という病名は、「Query fever=不明熱」に由来しており、1935年にオーストラリアで原因不明の熱性疾患として初めて報告されました。ペットの猫を介した感染が発見されており、ごく稀に、未殺菌の乳製品を飲食することによっても感染します。

 

●サルモネラ症
乳児を含む子どもがカメに触ったことを原因とする、サルモネラ症の集団発生が、アメリカ国内で発生しています。
サルモネラ症を発症すると、胃腸炎症状を起こしたり、まれに菌血症や髄膜炎等の重篤な症状を引き起こす場合があり、注意が必要です。

 

●オウム病(クラミジア)
鳥へエサを口移しで与えたり、排泄物に含まれる菌を吸込むことにより感染します。
感染するとインフルエンザのような症状が現れます。鳥を飼っている場合に、重いかぜの症状を感じたら、病院で受診する際にその旨を医師に伝えてください。

 

●パスツレラ症(細菌)
いつも身近にいるイヌやネコなどの口の中に普通に見られる細菌です。咬まれたり、ひっかかれた傷口から感染します。通常は、赤く腫れるだけの軽症ですが、傷が深いと骨髄炎を起こすこともあります。ペットから外傷を受けた時は傷口を消毒することで対策できます。

 

●トキソプラズマ症(寄生虫)
ネコなどの糞に紛れているトキソプラズマ原虫の感染によっておこる病気です。
妊婦がトキソプラズマ原虫に感染した場合、胎児が失明するなどの影響が出る恐れがあるので注意が必要です。飼育環境を清潔にし、糞便を適切に処理してください。

 
染症は人間同士だけでなく、ペットなど動物との間でも起こりうるものです。
医療機関を受診する際は、ペットの飼育や動物の健康状態、接触状況についても医師に伝えるようにしましょう。

消毒の概念を生み出した、不遇の偉人センメルヴェイス





こんにちは、デンネツ広報担当です。

10月15日は、ユニセフなど水と衛生の問題に取り組む国際機関や大学、企業などによって定められた「世界手洗いの日」です。
今回はそんな手洗いの文化を広めた偉人「センメルヴェイス・イグナーツ・フュレプ」についてご紹介します。

 

センメルヴェイス・イグナーツ・フュレプは、ドイツ系ハンガリー人の医師。手洗いなどの消毒法の先駆者として知られ、当時産褥熱から多くの妊産婦を救ったことから「母親たちの救い主」とも呼ばれています。

 

手洗いをする概念が生まれたのは今からわずか150年前。
センメルヴェイスの生きた当時は細菌という概念がなく、「医師は清潔である」という考えから手を洗う文化がありませんでした。
解剖を行なったその手のまま、手術を行うということが当たり前だったのです。

 

この常識によって、センメルヴェイスの勤務していたウィーン総合病院の第一産婦人科では、不衛生が原因による産褥熱で10%以上の妊産婦が命を落としており、第一産婦人科での出産を嫌がり病院外で医療関係者の補助を受けることなく出産を迎えるものが急増したほどでした。しかし、病院外で出産した妊産婦の死亡率は第一産婦人科の死亡率を下回っていました。それほどに当時の病院での出産は死亡率が高かったと言えます。

 

センメルヴェイスは病原菌という概念がなかった当時、「解剖した死体の何か」が医師に付着し産褥熱の原因となっているという仮説を発表しました。
解剖室から出てきた全ての職員に手洗いを徹底させた結果、妊産婦の死亡率は大きく下がり結果を残しましたが、当時の医学会では「医師は清潔である」という考えが変わることはなく、むしろ医師たちを侮辱するような説であるとしてこの考えは理解を得ることができませんでした。
彼が生涯をかけて主張した手洗いは、彼が亡くなってから10年以上も後に「消毒法」となり普及したのです。

 

生活において当たり前の習慣「手洗い」。感染症にかからないためにも、日頃から習慣化するよう心がけましょう!

プールの季節じゃないのに…なぜ流行?アルコールの効きにくい感染症「プール熱」

10月に入り多くのアミューズメントプールが今年の営業を終えたようです。
水泳の授業などもすでに終わっているはずのこの季節、新型コロナウイルス・インフルエンザに続き一部の地域ではなぜか「プール熱」が流行しています。
一体なぜなのでしょうか?

 

プール熱は、プールが主な感染原因となるためこのような名称が付けられていますが、感染経路は接触感染、飛まつ感染とされており、プール以外でも十分に感染の可能性がある感染症です。特に今年は猛暑が続き、体力や免疫力が低下している人が多い理由から、流行しているのではないかといわれています。

プール熱はウイルスに有効な薬がなく、アルコール消毒が効きにくいことが特徴です。
いたるところでアルコール消毒液がある今、手をアルコール消毒したからと、ついつい安心してしまいがち・・・。
基本にかえって、石鹸を使った手洗いをしっかりとすることが感染予防につながります。

感染症、何日休めばいいの?

こんにちは、デンネツ広報担当です。

 

最近感染者が増加しているインフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、感染力の高い感染症にかかった場合、学校や職場でお休みと取る必要があります。
その日数は感染症の種類によって変わりますが、それぞれ一体何日休まなければいけないか、知っていますか?

 

今回は感染症にかかってしまった際の休暇日数をご紹介します。

 

まず、学校保健安全法における「学校」では、第一種~第三種の感染症は国が取り決めた出席停止基準に従い、欠席しなければなりません。
対して職場では「学校保健安全法」をひとつの基準として対応することが大切ですが、 全く同じにする必要はありません。 
「何日休む必要があるか」「休んだらその扱いはどうなるのか」に関しては職場(の事情に合わせたところ)の就業規則の方が優先されます。
また、飲食店で働く調理従事者がノロウイルスに感染した場合などは休まなければならず、陰性が確認できるまで調理業務に就くことができないなど、一般とは異なる対応が求められる職種も存在します。

 

第一種〜第三種の基準は、一般的に第一種から、感染力が高いもしくは症状の重い順に設定されています。

 

<第一種感染症>
完全に治癒するまでが出席停止。

 

<第二種感染症>
飛沫感染をする感染症で児童生徒等の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高いものが分類される。感染症ごとに定めた出席停止の期間がある。たとえば麻疹(はしか)は解熱後3日を経過するまで、風疹(三日ばしか)なら発疹が消失するまでなど、それぞれ対応期間が異なる。

 

<第三種感染症>
学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性があるものが分類される。出席停止の期間の基準は、共通して「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」とされる。

 

感染症にかかってしまった際には学校や会社の指示に従って休みを取ることも大事ですが、自身の体調を考え、指定の日数を超えても体調が回復しない場合は無理せず休息を取ることが大切です。

 

なにより、感染症にかからないように予防は重要です。日常的に体調管理や感染症対策を怠らないようにしましょう!

秋なのにインフルエンザで学級閉鎖?

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こんにちは、デンネツ広報担当です。
気温30℃を超える日がまだまだ続くこの時期、全国でインフルエンザによる学級閉鎖の報告が相次いでいます。

 

従来、インフルエンザのピークは1月から2月と言われていました。ところが今年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで人の動きが活発になり、その結果インフルエンザが海外から国内に持ち込まれた可能性もあるそうです。

 

しかしこの時期にインフルエンザが流行すると、困ったことが…
インフルエンザワクチ ン接種が9月は始まっていないのです。

 

今シーズンのワクチン接種は10月1日から開始されます。

現状でできるワクチン接 種以外の感染症予防策は
・外出後の手洗いや適度な湿度の保持
・じゅうぶんな休養とバランスのとれた栄養摂取
・繁華街や人混みでのマスク着用(可能なら繁華街・人混みへの外出は控える)
などでしょうか。

 

また、多くの病院では年内にインフルエンザワクチン接種を行うことを推奨していますが、
今年はできるだけ早めの時期、10月〜11月にワクチン接種しておくと、感染症予防や重症化防止に有効かもしれません。

 

防御策はしっかりとり、安心な晩夏を過ごしましょう。

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